障害を持って生まれた子は生きにくさに苦しみ、親も共に苦しみます。
『死んでしまいたい!』
『どうして健常児に産んでくれなかったの!』
と子供に言われない様な育て方ってあるのでしょうか?
そして障害児を育てる親は劣等感やコンプレックスを感じる必要があるのでしょうか?
この2つの答えを私の経験から綴っていきたいと思います!
1)知的障害児を育てる親は劣等感やコンプレックスを感じる必要があるの?
ないです!!
むしろ誇らしいとすら思っています。
障害を持った赤ちゃんは、今にも消えてしまいそうな、か弱い命の炎を何とか保ち、強い生命力を持って生まれてきました。
母親はそんなたくましい赤ちゃんに選ばれたんですよ!
か弱いながらに命を落とさず、自分の元に生まれてきてくれた息子が愛おしくてなりません!!
生まれてきてくれたからには、絶対に幸せな人生を歩んでもらえる様に誇りを持って育てたいと強く思いました。
同じ様に障害を持って生まれたお子様をお持ちのお父さんお母さん、どうか誇りに思って!!!
中には家族に障害を持った子がいる事を隠す人もいます。
兄弟の結婚が破談になったらどうしよう、、、などの心配もありますね。
でも知って破談になる様な相手なら別れた方が良い!!
劣等感なんて感じる必要ないんです。
障害があろうとなかろうと、大事な家族の一員に変わりはないのですから。
そもそもなぜ劣等感を感じるのか。
人によっては『障害』という言葉に過剰反応する方がいます。
漢字ひとつにしても『障がい』と書き『害』という字を拒んだりします。
確かに『害』という漢字は悪い印象しかないですが、健常者が当たり前に出来る事が病気によって『妨げられる』『支障がある』という意味あいの『害』に当てはまるのですから、必ずひらがなで書くというこだわりを持つ必要はないと私は思うのです。
障害に遠回しはいらないし、現実を受け止めるというだけの事です。
あと、私は自分の息子の事を『知的障害児』とブログでも書いていますが、そう書く事にも否定的な人はいると思います。
私は何の抵抗もないです。
もちろん普段から『うちの子は知的障害児で、、、』なんて言いませんよ。笑
私にとって健常児の妹も知的障害がある息子も全く同じ存在です。
ただ、ブログ上では『知的障害児』の頑張っている姿を知ってもらったり『知的障害児』を育てる親の悩みで困っている方々に検索してもらえる様にあえて書いてます。
息子のららんが知的障害を持っている事に対して、私は全く劣等感やコンプレックスはありません。
なぜなのか。
私にとって『障害』は『個性』でしかないからです。
なぜそんなに割り切れるのか。
それは私が生きてきた環境と元々の性格にあったと思います。
私は人生の1/3を海外で過ごしてきました。
日本の民族性は特に『協調性』を尊重され、みんなと同じでいる事に価値をおきますね。
学校の規則、会社の規則、部活の規則。
などなど、日本の組織社会は、はみ出てはいけない規則だらけです。
ちょっと変わっている、ちょっと人と違うだけで批判され、いじめられます。
海外は(特にアメリカは)少し違います。
『個性』を尊重されます。
例えば今では日本でも『オネエ』の存在などはすっかり定着というか、受け入れられていますが、一昔前はものすごい偏見にさらされていました。
私も30年前に初めて渡米し暮らし始めた時は、ゲイやレズビアンの堂々とした存在に驚きましたが、もっと驚いたのは、彼らを特別扱いしない周りの人々の存在でした。
障害者に対してもそうです。
身体障害がある人にも特別扱いはなく、頼まれない限りは手助けもしないし普通に接しています。
また身体障害者に対しての設備が整っているのにも驚きました!
トイレやスロープ、公共機関などが身体障害者向けになっているのは当たり前で、人の手を借りなくても一人で何とか動ける体制が30年前には既に整っていました。
日本は遅れているなと感じたものでした。。。
アメリカは特に色んな人種が暮らしていて、様々な問題を抱えている人がいました。
もちろん目に見えない差別もあります。
良いことばかりではありませんが、色んな価値観を持った人々が住んでいる国であり、色んな文化や価値観を受け入れる環境があり、そこから学ぶ事はすごく多かったと思います。
そんな中で生きてきたのもあり、私にとって障害は『個性のひとつ』としか捉えられないのです。
なので、障害を持った息子がかわいそうだとか思ったことは一度もありませんし、私自身も支援学級に通うららんに劣等感を感じたり恥ずかしいとか秘密にしたいと思った事もないんです。
本当にかわいそうな子供は、親から虐待されている子供です。
大人になってからも不幸の連鎖は続き、自分がされた虐待を自分のパートナーや子供にもしてしまう、、、。
いくら健常児で生まれてきたとしても、親から愛情を注がれず虐待を受けている子供は本当に不幸です。
健常児か障害児かで幸せは決まりません!!
大事なのは子供が親から愛情を感じているかどうか。
障害を持って生まれても、親からの愛情を感じながら育った子供は、問題行動も少ないという研究結果も出ています。
問題行動が少ないという事は、成人になって社会に出た時も生きていきやすいという事です。
障害が重く一人で出来る事が少ない人でも、素直で笑顔が良いと周りの人も協力的に接してくれますから!
逆に親の愛情がうまく障害児に伝わっていないと、自傷行為に走ったり自己否定が強くなり、悲観的な人生を歩むことになりますから、いかに親の接し方次第かというのがわかります。
大事なのは、親が愛情を注いでいるつもりでも子供に伝わっているかどうか。
愛情の押し付けは親の一方通行なエゴです。
子供と同じ目線で、子供の気持ちに寄り添う様な愛情でないといけません。
時には悪い事、ダメな事はしっかり理解できる言葉で叱るのも大事です。
何でも許す、受け入れるだけじゃダメなんです。
これは障害あるなし関係ないので、我が子には兄妹同じ様に接しています。
障害の事を積極的に話す必要は全くないと思いますが、隠す必要も全くないと思いますよ。
障害は個性だと受け入れる事が出来れば、悩みも減るはず!
こんなステキな絵本があるのをご存知ですか?
この絵本は「みんなと同じじゃなきゃいけない」と義務教育で叩き込まれた私たち大人に、「違いを受け入れる柔軟な心」の大切さを教えてくれる本です。
ストーリーは
地球だったら目が2つあって両目で前を見るのが当たり前だけど、宇宙のある星に行ったら目が3つあって前も後ろも見えるのが当たり前。
目が2つしかない地球人はかわいそう、、、と思われても地球ではそれが当たり前で、ちっとも不便じゃないけど、他の星の宇宙人から見たら不幸なのかもしれない。
この絵本では目が見えない、耳が聞こえないといったハンディキャップを持つことを個性の一つとして肯定的に評価していて、ハンディがあることはむしろ素晴らしいことかも知れない!
例えば見えるのに見えていないこと。見えないのに、分かってること。そんな事に気づかせてくれるステキな本です!
大人が読んでも心に響く絵本なので、本当にオススメです!!
2)知的障害児が将来苦しまない人生を歩む為の秘策はあるの?
人が『生まれてきて良かった!』と強く感じる瞬間ってどんな時でしょう?
人それぞれ感じ方や価値観が違うので、違う答えがあって良いと思います。
私は次の5つだと思っています。
1)人から愛されていると感じる時
2)自分より大事だと思える人に会えた時
3)人から必要とされている時
4)自己表現が出来た時
5)美味しいものを美味しいと思える時
これら全てに共通して言える事があります。
それは
劣等感や自己否定からこれらは決して生まれない
という事。
障害児が劣等感を持たず自己否定しない様な大人に成長してもらうには、親の愛情を感じながら育つ事が絶対条件です!!
障害児の子育ては大きな壁にぶつかる時だってあります。
- 当たり前のことができない時の苛立ち
- 何度言っても理解してもらえないストレス
- 問題行動への対処
親はここをうまく乗り越えないと、障害児に当たってしまいます。
ストレスを子供にぶつけてはダメだとわかっていてもやってしまいがちで、これが親にとって乗り越えるべき大きな壁ですね。
でも、障害児の目線でどうやったら理解してもらえるのかを根気強く向き合って試行錯誤を続ければ必ず克服できます!!!
そんなの綺麗事。
そう思ってしまいがちですよね?
でもその実現力を証明してくれたのが、
『日本理化学工業株式会社』
という素晴らしいチョーク製造会社なんです。
この会社のすごい理念と行動力には本当に頭が下がります!
『日本理化学工業株式会社』は本当に素晴らしく、何度も何度もテレビ番組で特集されていて、知的障害者雇用の割合が何と全体の8割近いという、海外にも例がない様な障害者雇用に対しての取り組みを評価され業績も同時にあげているんですね。
簡単に紹介すると、日本理化学工業はチョーク製造している工場です。
1960年に初めて知的障害者を雇用して以来、一貫して障害者雇用に力を注いできた会社です。
1975年には川崎市に日本初の知的障害者多数雇用モデル工場を建設し、製造ラインをほぼ100%知的障害者のみで稼動できる様、工程に様々な工夫を凝らしているんですね。
それまでの道のりは想像を絶する程の険しい壁がいくつもあったはずです。
排除するのも解雇するのも簡単ですが、作業の流れを理解しこなしてもらうまでには気が遠くなる程の根気と向かい合う覚悟が、経営者に求められます。
ほとんどの企業や自治体はこの覚悟をはじめっから放棄してしまうんですね。
このチョーク工場の知的障害のある職員達は、仕事を覚えてこなせるまでに時間はかかりますが、一旦体で理解出来てくると、長〜く真面目に本当に会社の為に働いてくれるんですね。
会社の為だけじゃありません。
職員達、みんな楽しそうに仕事をしているではありませんか!!
仕事に生きがいを見つけ、人に必要とされている事、人の役に立つ事の喜びを、この人達は一番肌にしみて感じているのではないでしょうか?
そんな機会、場所を与えてくださっている、日本理化学工業の社長さんは本当に凄いと思います!
社長の理念や、どうやったら理解できるようになって行ったのか、社長と社員の努力と試行錯誤の足取りを包み隠さず書いていて、私達悩める親に多大な勇気を与えてくれる本が『日本理化学工業株式会社』から何冊か出版されています!
これらの本から、障害者との向き合い方やぶつかった壁の乗り越え方のヒントがたくさん得られ、勇気をもらえました!!!
障害あるなしに関係なく、『人から必要とされること』がどれだけ幸せなことか!
そして『自己表現がうまくできた時の喜び』は計り知れないです。
人は本能的に『何かを残したい』という思いがあり、残せることに生まれてきた喜びを感じます。
生まれてきた証を受け継いでいきたいものです。
子供を授かるというのは一番わかりやすいですね?
でも障害があると子宝に恵まれなかったりすることもあります。
生きてきた証を残し生きる喜びを得る方法として『自己表現できる場』があると、人生を通して大きな強みになるんですね。
- 絵を描くのが好き
- ものづくりが好き
- 歌を歌うのが好き
など、無心になって集中できる事を一緒に見つけて引き出し伸ばしてあげる事も親が出来る強力なサポートだと思います。
1つの事をやり遂げる自信、1つの事が得意だという自信が自分自身の人生を輝かせてくれるはずです。
集中できる事1つだけでも良いんです。
見つけて引き出し伸ばしてあげる事で、問題行動も確実に減りますから!
大人でもそうですよね?
悩みやストレスがあっても、趣味に没頭できている時は忘れることが出来ますから。
仕事でもそうです。
自分らしさを出せる仕事に就ける人は実際には一握りです。
そんな仕事に就けた人は本当に幸せな人だと思います。
多くの人はお金の為と割り切って、自分らしさとはかけ離れた仕事をしていますから。
自分らしさを出せて評価される仕事なら、何時間仕事しても苦ではないですが、嫌々こなす仕事はたとえ短時間でも苦でしかないですから、ストレスは溜まる一方で病んでしまいます。
そして心身共に健全であれば、美味しいものを食べて美味しいと感じる喜びがあります。
何かしら病んでいるとどんなに美味しいものでも美味しく感じないですもんね!
ちぎり絵で有名な『山下清』さんの人生は、本当に素敵だと思います😊
私が子供の頃に、山下清のドラマシリーズ『裸の大将』が好きでよく見ていましたが、本当に心温まり、生きることに勇気と希望をもらいました!
知的障害を持ち、いじめられっ子だった清が全国を放浪しながら、美しい風景をちぎり絵で表現するのですが、その才能に気づいた人達が彼の行方を追い、コメディータッチで描かれています。
今では幻のドラマとなっていて、DVDも絶版になりなかなか手に入りません!
私も、もう一度じっくり見てみたくなりましたー!!
自己表現が出来る道を引き出してあげる事で、障害のあるなしに関わらず子供の人生はどんどん拓けていく様になるはずです!
ららんは幼い頃から絵本が大好きで、今でも本を読むのが大好きです!
そして歌を歌うのも大好きで、音感もすごく良いし声もよく響いてよく褒められます。
まだまだいろんな可能性を秘めていると思うので、ららんの可能性を見極めどんどん引き出してあげたいです😊
今日はどんな感じ? ポチッとチェックしてみてください♪
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