最近、世界的に大きな社会問題となっているゲーム依存症。
2019年5月には「ゲーム障害」という立派な病名が、世界保健機関(WHO)によって正式に認定されましたね。
自分には関係ないと思っていませんか?
ゲーム依存症は幼い子供や10代20代の若者の問題の様に見えますが、実は高齢者や主婦など実に幅広い世代で知らず知らずハマってしまい、その結果『ゲーム障害』といった心身共に起こる様々な不調を訴える人が急増しているんです!
そこで湧き上がる疑問ですが、『ゲーム障害』で治療が必要な場合、保険は利くのでしょうか?
どの様な診断基準で、症状にあった治療法はどんなものなのでしょうか?
様々な疑問にリサーチしてきました!
1)ゲーム障害ってどんな症状?
一昔前のゲームって、ゲーム機とソフトを買い揃えてやっと遊べる環境でしたが、最新のゲーム環境はスマホやタブレットさえあれば簡単&気軽に遊べちゃいますね。
昔の様に初期費用がかかったり、ゲーム機を使う事によって親も子供がゲームで遊ぶ時間などを把握しやすかったのですが、今はスマホやタブレットを使って無料アプリでカンタンに遊べちゃうのが問題です。
いわゆる『オンラインゲーム』がゲーム依存症を加速していると考えられています。
WHOでは国際的な標準となる病気の分類に盛り込むことで、診断例が増えて研究が進み、治療法確立へ寄与すると期待していて、日本をはじめ大多数の加盟国が支持しており、ゲーム障害が「国際疾病分類」に新たな依存症として加えられる採択となる見通しです。
採択されれば、2022年1月から施行されるとの事です。
このオンラインゲーム、最初は無料というのが罠なんですよね。
無料だからいっか、と気軽にやってみたものの、どんどんハマっていき理想に近づく為のツールやアイテムを買い始めたらおしまいです!!
ゲームに依存する様になると様々なゲーム障害を引き起こしますが、ゲーム障害の症状って具体的にどんな状態を指すのでしょうか。
whoの発表によると、
- ゲームを行いたいという衝動が抑えられない
- 日常生活の何よりもゲームを優先する
- 仕事や学業、健康等に支障をきたしても、ゲームが止められない
- 時間や感情のコントロール・スケジュール管理ができない
- ゲームを継続することで、個人、家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる
などのギャンブル中毒と同様の、中毒性行動が出る症状との事。
ゲーム障害の症状が出ると
- 不登校
- 学習能力の低下
- 職場への遅刻や欠勤
- 仕事能力の低下
- 家族や友人関係の崩壊
- 借金
- 姿勢や視力が落ちるなどの健康障害
- 引きこもり
- うつ病発症
- 暴力的になる
- 睡眠不足
- 腱鞘炎
- 運動不足や偏りがちな食生活と生活リズムの乱れによる肥満
など、実に様々な心身的問題が生じてくるのが特徴です。
ゲーム障害は精神神経系の病気の一つに位置づけられた病気なのです。
若い世代だけでなく、高齢者や主婦もゲーム依存症に陥るといいます。
ハマる入り口として、お年寄りは脳トレアプリから、主婦は戦闘冒険ゲームやバーチャル恋愛などから夢中になり、やめられなくなっていく様です。
最初は無料でも、理想に近づくためにアイテムを購入したりでどんどん課金されていき、借金地獄に陥る主婦も急増していて社会問題になっていますね。
オンラインゲームの開発側は、いかにしてハマらせて課金させていくかを研究し尽くしているので、ゲーマーはハマらず離れることは難しいんですね。
ゲームを開発する側って、言っちゃ悪いけどとても罪深いと思います。
麻薬を堂々と育てて売るマフィアと変わらないんじゃないかと感じる程です。
私の知っている方のお孫さんも『ゲーム障害』で苦しんでいます。
中学に入り、スマホを買ってもらったのをキッカケにオンラインゲームにハマり、完全に依存症になってしまったそうです。
時間を決めてやる様、注意してもこっそりベッドの中でゲームをしていたらしく、だんだん不登校になり朝夜逆の生活が続き、スマホを取り上げたそうですがもう時すでに遅しで、暴力も進行していったのだとか。
おばあちゃんは必死にスマホやタブレットの使用を止めたそうですが、いくら取り上げてもお年玉で中古のスマホを隠れて買ってきてしまい、結局ゲームをやめられず引きこもりになってしまったそうです。
まともに食事もとらず、ゲームに熱中するあまり家族間の関係も悪化し、キレやすく暴力的になったと言っていました。
10代の、脳が一番成長する時期にスマホゲームで脳の発達が妨げられてしまうのは、本当に勿体無いですし、こうなってしまってからではなかなかそこから抜け出せないのが、中毒の恐ろしい症状です。
2018年8月に厚生労働省は中高生のゲーム依存症の推定数を発表していますが、ものすごい数です。
調査によると、病的なインターネットゲーム依存が疑われる中高生の数は全国推計93万人。
この5年間で倍増している。
さらに依存までは至らないものの、過剰使用の疑いがある段階の人は161万人近くとされ、潜在的には実に250万人以上に問題があることが明らかになったばかりだ。
しかもこれは、中高生だけの調査結果。
厚労省の2013年の調査では、依存の傾向がある20歳以上の男女は推計421万人。
この5年間で、さらに増えていることが予想されている。
これからの日本を引っ張っていく未来ある若い世代の脳を次々に破壊するゲーム中毒。
ゲームは確実に人を骨抜きにする悪魔のツールです。
2)ゲーム障害って保険はきくの?
ゲーム障害は、2019年5月にwhoにより正式に改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記され、「ICD―11」の改訂版が2022年1月に有効になる為、日本でも医療保険が適用される様になるのは2022年以降になる様です。
3)ゲーム障害専門の病院はある?
まだまだ少ないのが現状ですが、あるにはあります。
ただ、『ゲーム障害専門』ではなく、ギャンブル・アルコール・薬物をはじめとする様々な依存症専門外来の病院があり、その中に『ネット依存症』の専門外来がありゲーム依存症はそのカテゴリーに入ります。
2022年には保険も適用される様になっていくことから、ゲーム障害専門外来がある病院はこれからもっと増えていくのではないでしょうか。
日本でいち早く「ネット依存症外来」を立ち上げ、最先端のゲーム依存治療を行っている久里浜医療センター(横須賀市)の院長・樋口進医師は、
『オンラインゲームを長い時間やり続けると、実際に脳が破壊されることがわかってきた』
とインタビューに答えていました。
ネットゲームをすればするほど、人間に備わっている衝動を抑えるブレーキが効かなくなってしまい、好きなことを好きなだけする”暴走脳”に変わってしまうとの事です。
恐ろしいですね・・・
4)ゲーム障害の定義や診断基準ってあるの?
一言で言うと、日常生活に支障をきたす疾患なのですが、具体的には
- ゲームをしたい欲求を抑えられない
- ゲームをすることを他の日常生活の活動よりも優先してしまう
- 家族関係、仕事、学習などに重大な問題が生じていてもゲームをやめることができない
といった症状です。
これらの症状が12カ月以上続いた場合、ゲーム障害と診断されますが、特に症状の進行が早いと言われる幼少期の場合、この3つ全てに当てはまれば短い期間でも依存症と診断されます。
アメリカの心理学者キンバリー・ヤング博士作成のゲーム依存度チェックシートでまず基本的なセルフチェック診断ができます。
『はい』が5個以上あった場合は依存症の疑いアリです!
5)ゲーム障害の具体的な治療法と効果は?
先ほどご紹介した樋口医師によると、
これまでゲーム依存症に効く内服薬はなかったのですが、2019年早々にアルコール依存症の治療薬として発売される予定のナルメフェンが、ゲーム依存にも効果があるのではないかと期待されていて、治療法も日進月歩で進んでいる
のだそうです。
症状が深刻な場合は長期入院が必要で、投薬治療と共に規則正しい集団生活を送りながら、ゲームができる環境を断絶していく治療が行われるそうです。
樋口医師は、最も重要なのは「(途中で)治療から脱落するのを防ぐ」ことなので、入院でなくても通院を続けている限り、たとえゆっくりでも改善の可能性があるのだそうです。
また家族から言葉がけやアプローチをする上で大切なのは、「あまり批判的にならず、子どもの言うことに耳を傾けること」だと言います。
ゲームが強くなったからと言って、何の役にも立ちませんし何の生産性もありません。
まさにゲームは『百害あって一利なし』ですから、特に10代の若い世代には絶対にゲームにハマって欲しくないですね。
しかしゲーム環境を一番初めに与えてしまっているのは親です。
親がスマホやタブレットを与える事でゲーム依存が始まるケースがほとんどだと言いますから、親の責任は大きいですね。
しかし今の時代、学校でもタブレット学習を推奨していますから、完全にシャットアウトするのは確かに難しいですが、少なくとも
- ゲームができてしまう環境に置かない
- スマホやタブレットを使用させる際に厳格なルールを決める
など、初めの時点で親がしっかり監督する責任があると思います。
うちの子供達もタブレット学習させてますが、その中にもちろん学習ゲームアプリも入っています。
やらせる時は、必ず一人でやらせず親の目が届く場所で時間を決めてやらせています。
子供がゲームにハマってしまう原因は環境以外にも学校でのイジメやストレスなどが引き金になったりするそうなので、心のケアも親としてしっかり向き合ってあげなくては!と思います。
今日はどんな感じ? ポチッとチェックしてみてください♪
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