染色体異常が原因で知的障害を持つ我が子の成長ブログを書きながらふと『出生前診断』の是非を考えました。

生まれる前に知れる事は全部知っておこう!と誰もが思うに違いありません。

だってお腹の赤ちゃんが男か女かを知る事だって、エコーで赤ちゃんの動きを観察する事だって『出生前診断』のひとつですからね♪

科学がどんどん進んで便利なこの時代に『知る事』の幸せと不幸せについて綴ってみます。

 

 

1)染色体異常の検査をなぜ受ける? その背景の実態

理由は1つしかありませんね。

 

『生まれつき障害がある子を育てたくない・育てる自信がない』

 

まず染色体異常の有無がわかる検査を受けたいと希望する人は、この理由を前提に受ける訳ですから、

  • 異常があれば中絶を選択する
  • 異常が見つからなければ産む(赤ちゃんに問題がないとお墨付きをもらって安心したい)

 

という意思がはっきりしています。

もちろん迷いや苦しみの中、、、の決断と察しますが。

 

では逆に、なぜ出生前診断の研究が進み血液検査だけでも可能になり、より手軽に受けられる様に、より受ける受けないの選択肢が容易になってきたのか?という背景も重要なカギとなる事を忘れてはいけないと思います。

 

『利益が生まれないところに開発費用は投資されない』

という事実も同時に知っておくべきなんです。

 

妊婦の血液検査だけでわかる新型出生前診断は、もともとはアメリカの会社が営利目的で行っているものでしたが、遂に日本でも2013年4月から導入されました。

 

最近でもニュースでやっていましたが、驚くべき事に日本では1995年まで『優生保護法』という恐ろしい法律が存在していました。

 

優生保護法とは、1948年から約50年近くも続いたもので、『不良な子孫の出生を防止』する目的で遺伝性疾患や知的障害などを理由に、不妊手術や中絶を認めた法律で、今現在訴訟問題にもなっているのは、不妊手術を受けた約9万人のうち、1割近い約1万6475人は男女問わず本人の同意なく強制的に不妊手術をされていた問題が実在していたんです!

 

恐ろしくないですか?

 

1996年6月には優生思想に基づく部分を削除する改正が行われ、法律名も母体保護法に改定されましたが、ここで今一度考えてみてください。

 

表向きの法律上は強制不妊手術や中絶はなくなってはいますが、今現在は科学の進化を利用して『自主的に先天性異常が発見された場合に中絶出来る選択を妊婦または夫婦に与えている』訳です。

 

ここ、大事ですからね。

しつこいくらい言いますよ。

要するに、日本が血液検査で容易に染色体異常が発見できる検査をどこの医療機関でも受けられる様に導入したのには、政府の直接的な働きかけではなく本人に自主的に中絶してもらうシステムを導入したのと同じ事なんです。 こんな背景がある訳です。

 

国からしてみれば、生産性の望みが乏しく、むしろ社会福祉費の負担が膨大になるだけの障害者を生まれる前から減らしたいのが本音だと思われます。

 

 

 

2)出生前診断を受けられる時期と種類そして費用は?

ここでは代表的な出生前診断と受けられる時期を記載します。

1.超音波エコー

時期:11週〜13週

心臓の動きや体の形状を観測します。

エコー診断は赤ちゃんの健康診断的な要素がありますので、染色体異常などはエコーからは判断できません。

 

2. 新型出生前診断(NIPT)

時期:10週〜15週までに

妊娠の早い時期に血液を取るだけで、高い精度でお腹の赤ちゃんがダウン症かどうか調べることができます。

費用:20万円前後

検査は1日だけでは終わらず、簡単そうな割りには意外と時間がかかります。

日本では2013年に導入され、認可施設では今現在2018年までおよそ5万人の妊婦がこの検査を受けています。(35歳以上の妊婦限定とされています)

しかし認可を受けていない無認可で検査を行う医療機関がでてきていますがあくまで学会の認可のため、無認可で行っても法律上の罰則はないのです。

無認可医療機関で受けるメリットとして

  • 年齢制限がない
  • 格安の検査費用

 

無認可だと気軽に受けられるという事で、若い妊婦さんにも広がり、安易に検査を受けてその結果に混乱する事態も起こっている現実もある様です。

 

3. 羊水検査

時期:15週〜

費用:10万〜15万円

お母さんのお腹に針をさして、羊水に浮かんでいる赤ちゃんの垢(細胞)をとって染色体を調べ染色体異常の有無を検査します。

日帰りで検査できますが、結果まで3週間ほどかかります。

ただ、この検査方法はリスクが高いのでなるべく避けたいところです。

300人に1人の確率で流産したり、破水したりするリスクがあります。

お腹の子がダウン症である確率と、健常な子を亡くすかもしれない確率が同じということになります。

 

4. 母体血清マーカー(クアトロマーカー)

時期:15週〜16週と非常に短く限られています

費用:2〜3万円と手頃で10日ほどで結果がわかる

血液から妊娠中にだけ分泌される4種類のホルモンの値を調べ、年齢などを掛け合わせて特殊な計算でダウン症など染色体異常の確率を出す検査です。
正確な診断ではなく、分かるのはあくまでも確率なので、気になる場合は他の検査を受ける事を勧められます。

 

3)染色体異常の確率とリスク

染色体異常というと、なぜか必ず『ダウン症』が例にあがります。

ダウン症は700人に1人の確率で生まれてくるそうですが、妊婦が40歳以上だと200人に1人の確率に上がるそうです。

様々な染色体異常で生まれてくる赤ちゃんで一番確率が高いのがダウン症だと言うのは間違いない事実ではありますが、ダウン症以外のあまり知られていない染色体異常の病気は本当にたくさんあるんです。

ちなみに新型出生前診断(NITP)でわかる染色体異常の病気は

  • ダウン症候群(21番染色体トリソミー)
  • エドワーズ症候群(18番染色体トリソミー)
  • パトウ症候群(13番染色体トリソミー)

 

たったこれだけ、3種類だけなんです。

でも染色体異常で生まれる赤ちゃんの病気は分かっているだけでも30種類以上あるんです。

具体的に挙げてみますと

1. コフィン・ローリー(Coffin-Lowry)症候群

2. ソトス(Sotos)症候群

3. スミス・マギニス(Smith-Magenis)症候群

4. ルビンシュタイン・テイビ(Rubinstein-Taybi)症候群

5. 歌舞伎症候群

6. ウィーバー(Weaver)症候群

7. コルネリア・デランゲ(Cornelia de Lange)症候群

8. ベックウィズ・ヴィーデマン(Beckwith-Wiedemann)症候群

9. アンジェルマン(Angelman)症候群

10. 5p-症候群

11. 4p-症候群

12. 18トリソミー症候群

13. 13トリソミー症候群

14. ダウン(Down)症候群

15. プラダーウィリー症候群

16. CFC(cardio-facio-cutaneous)症候群

17. マルファン(Marfan)症候群

18. ロイス・ディーツ症候群

19. カムラティ・エンゲルマン症候群

20. コステロ(Costello)症候群

21. チャージ(CHARGE)症候群

22. ハーラマン・ストライフ症候群

23. 色素失調症

24. アントレー・ビクスラー(Antley-Bixler)症候群

25. ファイファー(Pfeiffer)症候群

26. コフィン・シリス(Coffin-Siris)症候群

27. シンプソン・ゴラビ・ベーメル(Simpson-Golabi-Behmel)症候群

28. スミス・レムリ・オピッツ(Smith-Lemli-Opitz)症候群

29. メビウス(Moebius)症候群

30. モワット・ウィルソン(Mowat-Wilson)症候群

31. ヤング・シンプソン(Young-Simpson)症候群

32. VATER症候群

 

これだけでもほんの一部なんです。

これらの染色体異常はどの出生前診断でも判明は不可能なんです。

確かにダウン症は確率が高いとされていますが、ダウン症候群だけが恐れる病気ではないという事です。

うちの息子は15番目にある『プラダーウィリー症候群』という15番目染色体異常だったのですが、出生前診断で判明しないどころか、出生後の検査でもよほど精度の高い検査を受けないと判定されない程、雲隠れしてしまいがちな難しい先天性の難病です。

(息子の病についての詳しい記事はこちらです!)

 

たとえ私が出生前診断を受けていたとしても、異常は判明しなかったという事ですね。

 

『あぁ〜〜、これで安心して赤ちゃんを産めるわ!』

 

なぁ〜んて思うのは甘いという事ですわ。

我が子が『ダウン症かどうか』だけ知りたい場合は受けてみたら良いかもしれませんが、染色体異常の病はダウン症だけではない事を理解した上で受けた方が良いです。

 

 

 

4)知った上で産むと決められる人はいるのか?

 

出生前診断を受ける受けないにはいつの時代にも賛否両論だと思いますが、こんな残念な意見もネット上にありました。

自分は出生前診断を受けるべきだと考えます。
もちろんダウン症が産まれても構わないという考えなら必要ないでしょうが、検査というリスク回避の手段があるのに 「大丈夫だろう」という安易な考えでしないのは危険です。 産まれてしまってからでは遅いのですから。 

うちはもし異常があれば堕ろすと決めています。 
理由は責任をとれないからです。 
自分の子ならどんな子でもカワイイでしょう、しかしそれを理由にして責任をとれない子を作るのは無責任なことです。 
大きくなってからの養育の負担、自分達が死んでからのその子の将来 その子の兄弟への負担や人生への影響、育てる際の社会への負担は親といえども責任の取りきれない問題です。 
それでも育てる場合、周りの大勢の人達の税金に助けられているという認識は持つべきでしょう。 
どれだけ頑張っても自分達だけで養うことは不可能です

 

こんな意見を言ってのけた人は、出生前診断では全部の染色体異常がわかる訳ではないという事実を知っているとは思えません。

この人は、出生後に染色体異常の赤ちゃんがもし生まれてしまったら、どんな対応をされるのでしょうか? 

こんな風に捉えている人ですから、障害を持った赤ちゃんを育てる事はもはや育てる前から不可能と断定している訳だから赤ちゃんをその場で殺してしまうのでしょうか? 

もしくは『赤ちゃんポスト』や『孤児院』にでも預けるつもりなのでしょうか?

 

実際にいるんです。

つい先日もニュースになりましたが、生まれてきた赤ちゃんの奇形な顔がどうしても受け入れられなかったから両親は手術に同意する事なく、赤ちゃんの延命をせず衰弱死させたと。。。

 

人それぞれですが、悲しいですね、、、

 

もちろん障害があるかもしれないと宣言されて産むと決められる人だって世の中にはいます。

 

でも、赤ちゃんは授かりものです。

 

育てられない人のところに生まれてこないんだと思います。

 

例え経済的に、心身的に、様々な理由があり育てるのに困難な状況であったとしても、自分のことを選んで生まれてきてくれた赤ちゃんにはやっぱり意味があると思うんです。

 

うちのケースは息子が染色体異常の難病で生まれてきましたが、うちだって経済的にはとても苦しい家ですし、親だって精神的に未熟なところ、いっぱいあります。

でも、息子がどんな難病でケアが大変であったとしても、息子の屈託のない笑顔は本当に私の生きる励みになっていて、愛おしくて愛おしくてたまらないんです!!

人一倍一生懸命勉強だって頑張ってるし、人に優しく誰からも愛される自慢の息子です。

生まれる前では判断できない事だし、経験できない愛しい感情なんです!!!

 

どうかどうか、1人でも多く出生前診断で赤ちゃんの命を落とす決断をされない事を祈るばかりです。

 

今日はどんな感じ? ポチッとチェックしてみてください♪

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