障害者雇用で就職できるのはほんの一握り!? 7/2放送ガイアの夜明けから見る光と闇


昨日7月2日(火)のドキュメント番組『ガイアの夜明け』(テレビ東京系列)で、障害者雇用の特集をやっていましたね。

息子のららんは知的障害があるので、将来必ず悩むであろうテーマだけに、しっかり観ました!!

『ガイアの夜明け』では「人生が変わる働き方!」シリーズ第2弾として、働く場所のなかった人たちこそが今、能力を発揮して、すごい商品やサービスを生んでいる現場を徹底取材している様子を紹介していて、番組を通して最近の障害者雇用の実態に対する希望も感じられました。

同時に、スポットライトが当たっていない障害者雇用の実態にも不安を覚えました。

障害者雇用の光と闇について綴ってみます。

 

1)障害者の力を引き出す新しい働き方の可能性に希望の光が!?

番組ではいくつか雇用先が挙げられ、それぞれ独自のアプローチで成功した例を紹介していました。

一つずつ見ていきましょう。

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1−1:フルーツアイスバーに見立てた石鹸を作る会社『リンクライン』

神奈川県小田原市にある『リンクライン』は、見た目も美味しそうでかわいいフルーツアイスバーに見立てた石鹸を作る会社です。

世田谷二子玉川のショッピングセンターにある「ハウスオブローゼ」というお店で売られていて、1080円と石鹸にしては決して安くはないお値段ですが、大人気ヒット商品なんだそうです。

この商品を作る工房で働く従業員は24人いて、(現在は31人に増えています!)全員何らかの障害を持っている人達の丁寧な作業で作られています。

障害者ならではのこだわりがあるからこそ本物とそっくりに作れる特性を生かし、石鹸の型入れ、色ぬり、切り抜き、そして最終的な仕上がりの出来を24人の厳しい目でチェックしたものだけが商品として並ぶのだと言う。

少しでも埃が入っていたりするものも見逃さず即座に見つけ、振り分ける作業も、障害者ならではの繊細な能力を上手に生かす事で、購入者満足度の高いハイクオリティー商品を世に送り出しているんですね。

『リンクライン』会長の神原薫さんは、機械ではマネできない障害者の圧倒的な技術力や洞察力に驚かされると語っていました。

丁寧な手作業に没頭している、知的障害がある29歳の女性がインタビューに答えていて、『仕事は楽しいし、頑張っていきたい!』と力強く生き生きと話していたのが印象的でした!

 

もちろん、石鹸を作る従業員みんなが最初から成功していたわけではありません。

会社も同じです。

障害者の雇用拡大のため2010年に親会社のIT企業「コムテック」から会社を設立し、初めの5年間ほどは赤字だったと言います。

『障害者が作った石鹸』と言う事ばかりを前面に出すのではなく、障害者と一丸になり時間をかけて商品力を高めた事によって、2016年には黒字化に成功しました!

 

この会社の素晴らしいところは、時間をかけて焦らず怒らず指導しながら作業工程を覚えてもらい、従業員たちの得意な能力を引き出し、winwinの関係を築き上げているところだと思います。

従業員たちは仕事から自信を得られ、会社も黒字化に成功し、障害者の力を時間をかけて引き出す事でお互いが成功している、希望に満ちた良い例だと思いました!

 

1−2:石川県白山市にある日帰り温泉施設『B’s・行善寺』

番組では、ダウン症や知的障害のある方の接客業務、自閉症スペクトラム障害を抱えている館内清掃担当の方、そして脳梗塞で高次脳機能障害のある方の、それぞれの仕事で活躍する姿を取材されていました。

「B’s 行善寺」では数々の賞を受賞している1杯350円のクラフトビールが楽しめ、400円で温泉も入浴でき近隣住民は無料で入ることができる大人気の日帰り温泉施設で、遠方からわざわざ来られるお客さんもいるのだとか。

 

テレビではダウン症の方がビールの注文を受け、お客さんに届ける姿がありました。

お客さんもとてもにこやかに接していたのが印象的でしたね。

 

知的障害のある女性は、この施設に以前お客さんとして来た時に、「ここで働きたい!」と思って就職されたそうです。

人と接するのが苦手だと言っていた女性は、あえて接客業に挑戦していました。

牛乳の本数があってなかったり、お客さんにそばつゆを届け忘れたりと数々のミスはあるものの、一生懸命出来る事を頑張っている姿がありました。

お客さんもそんな彼女を特に不快に思わず、自然に穏やかに接していましたね。

彼女の仕事を見守る料理長の方は

「以前は怒ったりと、時間が勝負でキリキリしていたけど、今はゆっくりでいいよ、という見守るスタンスで接するようになった」

と言い、いろんな人から

「ここで仕事をする様になってから顔が優しくなった”と言われる、今の方が楽しい!!」

と笑顔で答えていた姿が印象的でした。

牛乳の本数を間違えた彼女とのやりとりも、笑みがあり心の広さが滲み出ていて、職場の明るさを感じました!

 

そんな大人気の日帰り温泉施設も、最初の頃は近所の人たちから迷惑施設扱いされていたと言います。

それが今では憩いの場と言われる様になったんだそうです。

近所の人は無料で温泉も利用できるんです!

そういった取り組みが、人のコミュニケーションを円滑にしていくんですね、きっと。

 

これはやはり経営者と従業員の努力の賜物ですね!

経営者の住職さんは、

『お寺の子だった僕は障害のある子達と育った。でも大人になったその子達が働くのに苦労している姿を目の当たりにして、何とか力になりたいという思いから』

と語っていました。

今では全国から年間40万人以上が訪れ、福祉関係の見学希望者がたくさん来るなど、天然温泉をはじめ、自家製蕎麦や地ビールが楽しめるレストランに、ジムやプールまでが揃う大人気施設に成長しています!

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1−3:楽天の子会社「楽天ソシオビジネス」

楽天ソシオビジネスは、楽天が障害者雇用のために設立した子会社です。

番組では従業員208人のうち、8割が何かしらの障害を持っている人たちで、7年連続黒字経営の会社として紹介されていました。

楽天社内のコンビニを経営し、そこでパンを焼いたりレジを担当したり販売するスタッフは全員障害者です。

レジは数字が苦手な知的障害者でも会計が出来る様に、全てキャッシュレス決済システムを導入していました。

 

楽天ソシオビジネス設立当初の2008年頃は、まだ障害者雇用枠を埋める為だけの受け皿的存在でした。

そんなわけで、ソシオで働く障害者の給料は楽天から補充される為、どうしても安くなってしまう。

そこを何とか障害者が自力で収入を生み出せる様なシステム作りが出来ないものかと、思案を重ね状況を変えていったのが、女社長である川島薫さんです。

彼女自身、生まれつき両足股関節に障害を持っている方です。

走ることができないなら、できる事を見つけて、走ることが得意な人に任せればいいという考えから、様々な障害をもつ人々それぞれの能力を活かした仕事を与えることで、人も会社も成長するのでは?と数々のアイデアや行動力で仕事を勝ち取り、わずか3年で黒字化に成功した凄腕社長さんです!

楽天から仕事をもらうのではなく、障害者が自立して金を稼いでいく、という視点で、楽天ソシオ本社の事務は主に身体障害者や自閉症など発達障害者のスタッフが活躍しており、知的障害者にも活躍の場をという事で、新たに室内で無農薬レタスを作る野菜工場を作り出しました。

知的障害者は読み書きが苦手でも手先が器用だったり、地味な作業を根気よく続ける能力があることに着目したんですね。

レタスの種を耳かきの棒で一つずつ丁寧に埋めていく作業が映し出されていました。

無農薬野菜はニーズがありますから軌道に乗れば雇用も増えていく可能性がありますね!

 

また発達障害がある方の仕事の様子も紹介されていました。

有名大学を卒業し、英語も得意な彼は優秀でしたが、楽天に入社した後「突然いなくなってしまう」

ということが度々あったそうです。

その後発達障害と診断され、原因がわかると、彼は楽天ソシオビジネスに移籍して、英語会議資料の翻訳の仕事をしながら今はサブリーダーを務めて活躍していました。

 

最後に社長の言葉が印象的でした。

  • 人はいつか障害者になるんですよ。目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったり、体が動かなくなったり。その時に社会から必要ないと言われたら悲しくないですか?
  • 出来る事を精一杯頑張ればいい。
  • 雇用するだけの会社ではありたくない
  • 社員が雇用されながら活躍できる環境を作るのが私たちの使命

 

そして障害あるスタッフが社長さんから言われた言葉

  • 出来ない事を考えるのではなくて、出来ることを考えよう
  • ものを雑に扱ったり商品を傷つける様な事をしたら怒るけど、一生懸命頑張って失敗しても怒らないですよ

 

川島社長自らが業務をやってみて、効率のいい手順を見つけてみんなに教える事も、従業員がしっかりついてきて期待に応えようと頑張るのでしょうね。

障害者目線で説得力ある言動が従業員の心を動かすのがわかります!

こういう社長さんがいると会社も伸びますよね?

 

 

2)障害者雇用で就職できるのはほんの一握りの実態は否めない

以前、ブログにも知的障害者の従業員で支えられている『チョーク工場』の記事を書きました。

 

今回のガイアの夜明けの特集を見て、知的障害をはじめとする発達障害者にも少しずつ新しい形で良い雇用が増えつつあるなと感じました。

 

しかし、現実にはやはり影の部分が多いのでは、とも思いました。

今回番組で放送された会社は、とても素晴らしい障害者雇用の実績と業績を紹介されていましたが、その中で一番大きな雇用を生んでいる楽天ソシオビジネスでさえ、障害者の従業員数は今現在200人いくかいかないか、です。

 

何かしらの障害を抱えて生きていかなければならない人は何万人もいます。

そしてまだまだ障害者雇用の『数合わせ』で採用しているだけの会社も多いのが現実だと思います。

正直な感想として、障害者雇用でTVで紹介される様な良い会社に就職できるのはほんの一握りだと思います。

障害者雇用で特に知的障害者にとっていまだに根強い印象は、タダ同然の賃金でなんとなく『作業させてもらっている作業所』にしか行く場所がない、というものです。

 

実態はひどいところが多いのではないでしょうか。

無能のバカ扱いされ暴言暴力を受けたり・・・

そんな否定的なイメージがどうしても強いです。

そういうニュースや事件が連日メディアで挙げられるからかもしれません。

自分の子供がそんな作業所に行くのがゴールになってしまうのは絶対に嫌です!!

 

 

障害を持つ子供の親としては、子供が成人になる10年後にはもう少しTVで紹介された様な素晴らしい会社が増えてきてくれる事を願うばかりですが、親として今、子供の自立に向けてしてあげられる事に精一杯協力していかねば!と改めて思います。

 

番組でも「B’s 行善寺」で働く知的障害を持つ女性のお母さん言っていましたが、家ではやらせる前にやれないだろうと決めつけてやらせなかった事がたくさんあったと。

私にも思い当たることはあります。

ららんには積極的に家でも色々お手伝いしてもらっているのですが、例えば包丁を使った調理などは危なくてやらせていなかったりします。

でも、丁寧に教えてちゃんとみてあげれば、絶対に出来るんだと思います。

危なそうな事から遠ざけずに、しっかり見守りながら何でもやらせてみる事って、親がしてあげられる一番の協力なのかもしれません。

 

番組から色々ヒントと希望をいただきました!

今日からまた親子共々頑張りますー!!👍

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2 Comments

  1. 作業所に対するネガティブなイメージをお持ちのようですが、一度作業所を見学に行かれることを強くお勧めします。
    私たちは決して、利用者を蔑んだり馬鹿にしたりしません。
    支援のプロとしての自覚と誇りを持って障害者福祉に従事しております。

    • 福祉職員さん

      コメントありがとうございました!
      作業所は何ヶ所か見学に行ったことがあります。
      しかしアポをとって伺うのが前提なので、良い部分しか見る事は出来ませんでした。
      私としてはもちろん、すべての作業所に対してネガティブなイメージを持っているわけではありませんよ。
      携わっている職員の方に対しても、です。
      愛情を持って一生懸命従事してくださる方が多いと思います。
      しかし残念な福祉施設、残念な職員がいるのも事実だと身をもって経験しております。

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